備忘録

思考のストレージ

とある危機感と絶望

危機感を感じざるを得ない出来事が多すぎる。

 

現場監理について、

監理者が現場へ行った際に施工不良を見つける。

現場が休工日において他仕上げや部材との複雑な取り合いをチェックし、

そのことについてネット上でこの施工は気に入らないと発信する。

 

こうしたことは日常的に、どこにでもある風景かもしれない。

しかし、決して工務店側も悪意を持って施工をしたわけではなく、

どうしたら綺麗に仕上げることができるか熟慮した上での決断だろう。

そのことについて、この納まりは気にくわないと、

一方的に責めるような表現はいただけない。

 

気をつけてほしいこと、こだわりのあることについては、

着手時の施工業者を集めた全体会議で周知すべきことであるし、

施工後ではなく、施工前又は施工時に立会うなどの行為は必然的に起きるべきである。

 

こうした行動が施工不良を防ぎ、争い回避につながるだろう。

また、設計者と監理者が同じ場合は特に必要行動だろう。

 

これはもはや施工不良というよりも監理不履行である。

 

以前、旭川デザインウィークの関連で開催されていた宮脇檀展にて、

模型やスケッチだけではなく、原図も展示がされていたことを思い出す。

図面の中に設計趣旨を記載したものがあったコトバ(記憶は朧げ)

 

ー図面の内容を十分理解した上で工事に着手することー

 

このことは設計者が設計趣旨(コンセプト)を明確にした上で、

施工者に対して、高い施工性を期待するものであろう。

 

この資料一枚によって

設計者は施工者へ設計趣旨(コンセプト)を明確に伝え、

施工者は設計内容を理解しようとする、お互いの信頼構築のための第一歩であろう。

 

身近な住宅工事の現場では設計図面を基にした施工図を使用し、

設計図書も実施設計図を描かない設計者も多く存在していることも事実であろう。

 

設計段階での省力化と合わせて、施工者とのコミュニケーション不足が、

以前より感じる危機感の一つである。

 

あくまで某事務所とするが、

そういった仲良しこよしで甘い仕事をしていると、

いつの日か自分に戻ってくることだろう。

 

こうした諸先輩を反面教師とすることで、

この素晴らしい業界に絶望することなく研鑽を積んでいきたい。